博士前期課程工学専攻
工学分野の,より高い専門性と分野横断的視点を備えた技術者や研究者を養成します。 標準修業年限2年で「修士(工学)」の学位が授与されます。
基本理念
質の高い特色ある教育と研究を通じて,世界に通用する科学技術を創造し,もって地域に貢献するとともに,豊かな創造性,社会性及び人間性を備えた人材を育成することです。
教育・研究の目標
自らの課題を探求する高い学習意欲と柔軟な思考力を有し,国際基準を満たすゆるぎない基礎学力と高度の専門知識を備えるとともに,豊かな人間性と高い倫理観を有する人材を養成することです。
求める学生像
工学研究科博士前期課程では,環境や社会に対する影響も予見しながら自然との共生や,真に人類に役立つ技術とは何かを自ら考え,先進的科学技術によって人類福祉に貢献する意欲をもち将来への可能性を秘めている人を求めています。
以上の観点と本学の求める学生像から,具体的には,次のような人を求めています。
- 工学の分野に強い関心があり,深い専門知識と高度の技術を身につけることをめざしている人
- 新しい課題を自ら見いだす着想力をもち,問題の解決に際しては計画的に調査や研究を行うことのできる強い意志をもっている人
- 国際的な視野を有し,国際的に通用する能力や技術の獲得をめざしている人
- 地球規模での課題に問題意識をもち,それらの課題と技術との融合について関心をもっている人
【博士前期課程】コースの概要
機械エネルギー工学コース
複雑化・高度化した現在,科学技術は,従来の機械工学・電気工学といった縦割りの学問形態のみでは対応困難となっています。本コースでは,専門領域の知識のみならず,それら枠組みを越えて幅広く問題を捕らえる視野をもった人材の養成を目指します。このため,学生は,当初から各講座の研究室に属して,担当教員の指導のもとに専門領域の勉学研究を行うとともに,機械的・電気的領域を中心として他の関連領域を身に付けるよう配慮されています。
電気電子工学コース
学部で修得した専門的知識及び技術を基礎として,電気電子工学の分野で指導的な役割を果たす創造性豊かな研究者及び技術者の育成を目的としています。このため,電気電子工学全般にわたる広い知識を身につけ,より精密な学識と研究及び研究指導能力を養うことに重点を置き,電気電子工学の分野に必要な授業科目が選択できるよう配慮しています。また学生は,制御コミュニケーション,電子デバイス工学,電磁ダイナミクス及び電子情報システム工学のいずれかの講座に属し,担当教員の指導により社会的要求に応え得る能力を身に付けるようになっています。
知能情報システム工学コース
情報科学基礎,計算機システム,知能システムの3講座を軸にした教育・研究を通じて,「知」と「情報」の本質を見極めます。情報の生成・処理・伝達に係る情報システムのハードウエア及びソフトウエアについて,高度の専門知識を習得した,人間を含めた知的で有機的なシステム構築が出来る情報技術者・研究者を育成します。
応用化学コース
本コースでは,化学の諸問題に対応する場面おいて指導的な役割を担うことのできる研究者,技術者,教育者の育成を目的としています。このため学生には,講義や研究指導を通して化学全般にわたる広い知識と技術を修得するとともに,環境・エネルギー問題に関連した機能性材料・新素材開発,地元農林水産物を原料とした食品開発,廃棄物再資源化技術,レーザー化学分析技術,高圧有機反応化学などから研究テーマを選択し,研究計画の作成から実行,結果の解析から考察までの一連のサイクルをサポートを受けながら繰り返し,最終的に論文としてまとめるためのカリキュラムが用意され,第一線で活躍するために必要不可欠な能力が育成されるように配慮されています。
福祉環境工学 建築学コース
快適で安全安心な生活環境,都市・地域環境の構想・設計,福祉環境の向上を図るための住環境及び施設計画,さらに構造設計・耐震設計,建築材料と施工技術,資源と環境の関わりなどの教育・研究を行い,高度化・多様化する社会の要請,持続可能な建築と都市・地域環境形成に応えうる能力と技術を習得した建築技術者,研究者を育成します。
福祉環境工学 メカトロニクスコース
本コースは,21世紀の福祉社会の要請に応える生活の質(QOL)の向上に貢献することを目的とし,日常生活における機能回復への支援や福祉的生活環境の実現,さらにはユニバーサルデザインなどに関する技術を総合的工学の立場から発展させ,福祉マインド,すなわち人間とそれを取り巻く環境をひとつのシステムとして考えられる人間性重視の設計思想をもった高度技術者及び研究者を養成するための教育・研究を行います。